突然の出来事に、当然父や母にも抗議したものの
それもすぐに無駄だと思い知らされた。
兄と同じように両親の瞳もとっくに曇ってしまっていたから。
ひっと息をのんで後ずさる。花の香ですら怪しく部屋中に香っていた。
めまいを覚えながら部屋から出た後、どうやって自室まで戻ったんだろう。
何かがおかしいと幼いあたしですら気づいていた。
けれど、兄や父と母を見ているとあたし一人だけおかしい気もしてくる。
兄はなぜあんな人間界の女を選んだのか?
そうだわ、人間界への苦情ならば霊界に言えばいいじゃない。
こっそりと抜け出したあたしは外へ出ていく霊界タクシーに目をつけて乗り込んだ。
途中で運転手と揉めてしまい、敷地外に出るのに時間がかかってしまったものの
しぶしぶ霊界まで載せてくれるという運転手に安堵した。
人間界で買ったキャラクター付きの腕時計を何度も確認する。
暗くなるまでにこっそり戻らなきゃと腕時計から視線をあげた時
屋敷の方向から大きな爆発音が聞こえた。
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彷徨いアリス