少女の言葉に青年は大きくため息をついた後、頭が痛いと
眉根を寄せながらデスクにうなだれかかった。

「レティシア嬢……幼いおぬしには気の毒だろうが
此度こたびの一件は全て、おぬしの兄ロメオの仕組んだことなのだ」

隠しきれるものならばおぬしがせめて大きくなるまでは隠しておきたかったと
息をはきながら目を閉じ、眉間みけんを押さえるコエンマ。
少女は信じられないとばかりに声を荒げたが、周りの空気から
コエンマの嘘ではないと気づきうろたえた。

「そんな……お兄様がどうしてそんなことを」

「それは、こちらが知りたいくらいだ」

突然入ってきた声にコエンマがとっさに顔をあげると
赤毛の少年は傷ついた身体のまま短く一礼した。

「蔵馬もすまなかったな」

わしのせいだと詫びる言葉を蔵馬が小さく否定する。

「今回はコエンマ様含め俺たちはやれるだけのことはしました。
――しかし、相手もまさか対策を講じていたとは」

「あの笛の男は何じゃ!!あやつはどう見ても……」

「霊界の者ではなさそうですね」

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彷徨いアリス