「いたっ…ちょっと何なの…」
ぶつかった方の幽助も若干(じゃっかん)可哀想だが、ぶつけた鼻の方が痛むので小言の一つでも言ってやろうかと
彼を見上げると、真剣な顔で俺の後について離れるなと忠告(ちゅうこく)された。

どういう意味だろう、と思ったものの。その言葉の意味をすぐ理解する。
魂を追いかけた先は裏路地のような薄暗い場所で、まばらに居る人達は
みんな悪そうなお兄さん方ばかりポツポツいらっしゃった素敵なたまり場だった。

その中を幽助の背中にピタリとついて、内心ドキドキしながら通り過ぎたが
彼らの視線は私達に注がれなかったので、安堵(あんど)し息をもらした。

「それにしても、この中の誰があの子の魂をとったのかな」
お互いキョロキョロしながら進んでいく。先に追いかけていた幽助もさぁなと
険(けわ)しい顔を崩さなかったものの、歩調を緩(ゆる)めて私をピタリと背中につけたまま進んでくれた。
そんな男らしい優しさと男性になりつつある少年の背中に少しドギマギしながら
いないなぁと誤魔化(ごまか)すように視線を泳がせる私。

ふと、何かに目がとまった。幽助はまだキョロキョロしている。
彼より少しだけ霊力がある私にはハッキリ見える。だって、あの大柄(おおがら)な男性……モロ頭からツノ出してんだもん。
これがコミケならリアルな鬼コスじゃんとテンションがあがっただろうが
ここはコスプレ禁止ゾーンみたいな扱い……というか、まぁ普段からコスする人はルール違反だからとか
色んなしょーもないオタク知識が脳内を駆け巡る中、どんなに目をこすってもやはり見えるので
ちょいちょいと幽助の背中を引っ張り、視線の先を見るように促した。

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彷徨いアリス