吸い込まれそうなほど美しい琥珀の瞳が
綺麗な切れ長の瞳の中で怪しく輝いている。
頬を長い男の指先がなでた。
輪郭を確かめるように、指先は頬の曲線から顎へ
そして肉付きのよい唇の形をなぞるように
指先をゆっくりと滑らせた。
「……まだ幼いな」
ふっと少しだけ眉尻を下げて笑む男に、分からないと首をかしげれば
後数年……いや、後10年経てば分かるさと頭をなでられた。
子供扱いされてるなと思うが、男のほうが妖怪であれば
恐らくかなりの年上だろうなと思い、我慢して頭を差し出した。
あなたは誰ですか?なんでここに居るんですか?
色んなことを聞きたかったけど、一番知りたかったのは
「あなたは私の知っている人ですか?」
唇が震えなかったか不安だった。
男は恐らく私のことを知っている。
でも私はこの人のことを全然知らなかった。
けれど……男のこの時折見せる瞳に宿る優しさを私は知っている。
全然知らないはずなのに、どこか懐かしさを感じる男の雰囲気。
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彷徨いアリス