でも、このままじゃ幽助が危ない。今から走ってギリ間に合うかの距離だ。
「もっもういいから撃って幽助!!」
叫んだと同時になぜか幽助はハッとした顔で指先を相手に向けることもなくパンチをくらい吹き飛ばされていた。
とっさによけようとした動きは見たが、パンチされた時の重い打撃音やあの勢いで転がっていったことから
相当な威力をくらったと顔をしかめて駆け寄る。しかし鬼男は駆け寄ろうとした私を手だけで制止し
幽助にむかって走りながら太い足で強烈な蹴りをくらわせた。
「幽助!!」
とっさに霊力を足に流して身体を前のめりにしながら駆け出す私は
なんとか幽助が木にぶつかる寸前で間にはいってクッションになることが出来た。
背中に木の堅さがモロにぶつかり、ピキッとイヤな音を立てた。幽助も蹴りをくらってぐったりしている。
「この美味しそうな魂をしたガキの方がやるじゃないか」
背中を片手でおさえ、痛みで息をつくのさえ苦しそうにする私を見下ろし美味しそうだと
鬼男にとっては大事なことなのか二度もわざわざ恐怖宣言をするのに
青い顔で否定として顔を美味しくないですと横に振る私にニンマリと笑った。
距離をとらなきゃ……。痛みの中でも冷静に考えろと心の中で叫ぶ。
私の痛みからして恐らく背骨がちょびっと折れたのは確実だ。
痛くて今にも泣いちゃうそうだけど、幽助の方がもっと重症そうなのでこっちが先だ。
幸いなことに餓鬼玉はこちらが持っている。このままの傷では戦闘なんて無理だ。
いったん幽助をつれて逃げて、傷を回復し作戦をねって挑むしかない。
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彷徨いアリス