「さぁて……人間が調子にのりやがって」

鬼男が片手だけでも軽々と少年を持ち上げながらそのまま首をしめようと力を込めていく。

どうしよう、どうしよう。冷や汗が伝う。心臓がうるさい。
今にも握りつぶされそうな幽助の首と男の手を見やり動くなと釘を刺されていたが
絞り出すような声で、バッグから餓鬼玉を取り出して両手でかかげた。

「待って!!――あなたが幽助を殺せば私はこれを破壊はかいします!!」

「なっなにぃ!?このガキ…いつの間に餓鬼玉を!?」

男が驚いて一瞬手を緩めてこちらを伺うすきを作ったので餓鬼玉を掲げていた両手を
すかさず片方あけて、指先を鉄砲のように相手に構えて発射した。
久しぶりの反動が背中に響く。グッと顔を歪めたが痛みより当たってくれと願う祈りがでかい。

霊丸れいがん!!」

小さな指先から飛び出した霊丸はまさに一点に集中されたレーザーのような
綺麗に圧縮された鋭い光となり、幽助の首を掴んでいた男の片方の手に見事に命中する。

「ぐっ!?」

男が手を緩めていたことや、こちらに意識が向いていたおかげで、無事に首を掴んでいた手は離れた。
その隙をついて身体に霊力を流して幽助に駆け寄りながら、抱き留める。
足に霊力を流せば瞬足になるが、腕だと怪力になったおかげか少年もやすやすと抱き留める事ができた。
幽助はゲホゲホとむせながらも助かったと呟いて意識を失った。

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彷徨いアリス