「ああ、くらえっ霊丸!!」
グワッと霊丸の波動が剛鬼のすぐ後ろにいた私にも伝わる。
慌てて指先から糸を引っ込めて、自分を包む繭の形にして防御の姿勢をとって巻きぞえを逃れた。
咥内にモロに直撃した霊丸のおかげで、大きな音とともに剛鬼はその巨体を地面に沈めた。
それにホッとする幽助とぼたん……と冷や汗ダラダラ、心臓バクバクの私。
「やった……」
「やったじゃないよ!!こっち巻きぞえくらいかけたけど!?」
ぼたんと一緒に駆け寄ると、いたずらっ子のように少年が少しだけ悪びれたような笑顔を見せた。
「悪ぃ…でも紅葉なら昨日の立ち回りから見て咄嗟にどうにか出来そうな気がしたんだよ!!」
むぅ、ずるいぞBOY(少年)。初対面は失礼だったくせに、こんな時に褒められると少し照れくさい。
しかし、それとこれとは別という話もあるからお姉さん心を鬼にしますね。
「でもね、一人だけで剛鬼に挑むのはダメだよ!!」
「え〜だって紅葉も俺に連絡くれなかったじゃねぇか!!――俺、高校生を気遣ったんだけど…」
「私だって受験控えた中学生気遣ったわ!!でも次からこんな危険な真似しないでよ?泣くよ!!泣いちゃうよ!?」
どっちが年下か分からないように駄々をこねる私に少年は呆れたように笑って頷いた。
「分かったよ!!俺よりアンタの方が強そうだしな」
ちょうど魂が帰って行くのと、さっき倒れた女の子が起き上がったのを確認してボロボロの幽助を引きずり帰宅することにした。
33(189)
→|
back
彷徨いアリス