蔵馬の願い
「ちょっと――幽助!!危ないよ!!」
「そうだよ幽助!!私たちにつかまって」
「冗談じゃねぇ!!そんなかっこわりぃこと出来るかよ!!」
カッコイイとか悪いとかじゃなく……ボロボロだから仕方ないじゃん。
男のプライドってやつとかはよく分からないけど、全身ボロボロで
仙人みたいに杖つく幽助はもうすでにかっこ悪いと思うんだけどと
口には出さないが呆れて項垂れるしかない私達。
「全く困ったも……ん?」
幽助の妖気計が何か反応したので、思わず身構える私達。
ぼたんはどうしたんだいと状況が飲み込めずに聞いてきたので、手短に妖気計が反応したみたいと告げると
年上だけどとても可愛らしい仕草で私の後ろに慌てて隠れた。
守りたい、この子と和んだのもつかの間……妖気計がさした方角から誰か歩いてくる。
あの髪色と悲しげな瞳は確か……蔵馬とか呼ばれてた人だ。
その瞬間心臓がドキッと跳ねた。嬉しいのではない。むしろこの人とは会いたくなかったような複雑な気分になる。
と同時に単独でわざわざ向かってきてこんな往来でまさかドンパチ始めないよねとぞっとした。
しかし蔵馬はなぜか黙って何もせず通り過ぎた。
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彷徨いアリス