『あいつは…そんなに悪いやつじゃねぇような気がするんだ』
通話先の幽助はまるで何かを悟ったような落ち着いた声だった。
その声色に冗談を言っているわけではなく、本心からそう思っているのが伝わる。
薄く唇を開いた。
「ふふっ。私もそうならと願うよ」
ほんとに、補佐をするのが幽助で良かったな。
不良だけれど彼は一定のポリシーもある。
ただの喧嘩好きなら、私は彼にここまでついていこうと思わなかっただろう。
だからこそ、私が全力でサポートしなくちゃ。
「でも、あの人の仲間に私達ボロボロにされたこと。
それは忘れちゃダメだよ?」
良い人だと思いたい、彼に良心があることを願うことは私も賛同する。
しかし同時に警戒は怠るべきではないことも分かる。
彼がまだ私達の敵と認識している以上、私達は油断できるほど残念ながら強くない。
『ああ……けどあいつら仲間われしてたよな』
「っそうだった!!――それも引っかかるんだよね。
特に蔵馬…あの人抜けたがってたみたいだし」
『ああ、あいつの目…ウソついてる感じじゃなかった』
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彷徨いアリス