「割と大きなHOSPITAL(病院)だね!!」

目の前に立つのは、大学病院のようだった。
診察のみ行う小さなかかり付け病院というよりも
患者(かんじゃ)が入院する病棟(びょうとう)もありそうな規模の大きさ。

「あっ」

幽助の声に弾かれるように視線をおえば、彼が待っていた。
そして、ゆっくりと彼は制服姿のまま近づいてくる。

「っ蔵馬さん…!?」

私の少し驚きと不安が混じった声に、彼は子供を安心させるように
クスッと笑い、怯(おび)えないでと言わんばかりに瞳を細め眉を下げた。

「君が幽助と……君は……」
「小鳥居 紅葉です」
「よろしく…紅葉――さっそくだけどついてきて」

私達は初めて来るが、彼は慣れているのか
黙々(もくもく)と病棟を進んで行く。

やがて、一つの病室の前で歩みをとめた。

「501号室…南野(みなみの)?」

私の言葉に小さく、頷(うなず)いて彼は小さくノックと挨拶をした後中に入った。
私達もドキドキしながら後を続く。

室内はよくある病室といった感じ。
殺風景(さっぷうけい)で、白を基調とした清潔感のある壁紙やベッド。
そのベッドに横たわる幸(さち)の薄そうな美人が私達に気付いて体勢を起こした。

「珍(めずら)しいわね。お友達をつれてくるなんて」

最初に蔵馬、そして幽助、最後に私を見て彼女はニコッと笑みを浮かべた。
それに小さくどうもと照れながら頭を小さく下げると、また彼女は嬉しそうに笑みを浮かべる。

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彷徨いアリス