「ああっ、いいよ母さん。横になってて」
え、母さん……?
横に居た幽助も同じことを思っているのか面食らった顔をしている。
「今日はだいぶ体調がいいの」
蔵馬……のお母さんとおぼしき人物が何かするたびに
蔵馬は大げさなくらいに気遣っていることから
この人は相当重い病気なのではと不安になった。
蔵馬の年を考えても、まだまだ若そうなのに……。
そんな私達をよそに親子の会話は続いていく。
とくに先ほどまでのクールでミステリアスだった蔵馬が
めちゃくちゃ喋って仲よさそうにしているのは驚いた。
お母さん思いなんだなぁと和んだが、隣の幽助をチラッと見ると
少々マザコンとでも言わんばかりの呆れた顔をしていたので笑いそうになったのは秘密。
その後も私達は蔵馬のお母さんから『息子の友達』として質問を受け
それとなく質問に答えたりでやや気まずい思いをしつつも何とかその場をのりきった。
最初はガチガチに警戒していたものの、さきほどまでの蔵馬のマザコン。
もとい献身的な姿にすっかりほだされ、何してるんだろうと言う気持ちで
彼にまた案内されるままに屋上に続いていく。
本当にこの人、私達に何かするつもりなんだろうか。
幽助もすっかり飽きてもう帰りたい感じだったので苦笑する。
小さく、まだ警戒をしないとと囁けばそれに気付いてか蔵馬も少し呆れたように笑ったので
なんだか私だけ真面目で恥ずかしいと頬を赤くして俯いたら今度は2人に笑われた。
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彷徨いアリス