「でも……なんで」
「そうだぜ、それが15年もよ……」
私の疑問も代弁するかのように呟いた幽助に静かに頷く。
妖狐としての記憶も持っているとすれば、15歳の見た目に反して
彼は私達の同年代どころかよっぽどおじいちゃんの年齢だ。
そんな彼なら10歳で世間に出ても上手く適応できただろうし
妖力が回復できたのなら、いっそのこと魔界に帰ることだって……。
「あの人……母さんの病気治らないんだ」
「えっ…」
「そんな時、やつらが現れた。――闇の三大秘宝の盗みの仲間に入らないかとさそわれて
自分の望みのかなう暗黒鏡のことを思い出してね」
「それで……」
まさか、この鏡で……。
まだ状況が飲み込めない幽助をよそに、バッと弾かれるように顔をあげた私が
よほど思い詰めたような顔をしていたのか、少し悲しそうに笑い頷いた。
「この暗黒鏡を使って、彼女を助けたい」
「……っ」
声にならない悲鳴を飲み込んだ。一番辛いのは彼だというのに
私まで泣きそうになってはダメだ。
わかっているけれど、何て悲しい話なのだろう。
「それさえ叶えば宝を返して俺はエンマ大王の前へ行き審判をうける」
「なぜ…妖怪が人間に対してそこまで」
幽助の言葉に、蔵馬も我ながらどうしてだろうと笑った。
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彷徨いアリス