様子をうかがうように中に入れば、すぐ近くにぼたんと少女が倒れていた。
ぼたんが少女に何か心霊医術をほどこしているのに気づき
慌てて私も手伝えないかと駆け寄った。

「ぼたんさん!!私が変わります!!」

ぼたんが手をかざしていた額に私も手をかざし霊力を集中させようとした。
それに気付いて、ぼたんが慌てて首を振る。

「紅葉ちゃんっ。――今はっ幽助を助けてあげて!!」

「へ…」

ぼたんにつられて少し視線をあげると、がんじがらめになった幽助がもがいていた。
思わず悲鳴をあげると、幽助を縛っていた飛影が鼻で笑う。

「ハッ。お前はあの時の霊界探偵補佐とやらか」
彼は視線だけ私に向けたまま、怪しく笑った。

「お前もすぐコイツのようにあの世へ送ってやる。
――いや、待てよ……お前も俺の部下にしてやってもいい」

「っ部下…!?」

「この女のように心霊医術が使えるとみた。そこらの人間よりは使えるだろう」

「誰が…あなたなんかのっ」

「そうか……まぁいい。お前もコイツを殺した後にこの剣で妖怪化させるだけだ」

剣が宙を浮いて、幽助に向かっていく。

「幽助!!」

足に霊力を流し、駆け寄った。ぐちゃっと肉の切れる音。飛び散る血。
感じる痛みに間に合った、と安心して眼をあけたが背中の温もりに我に返る。

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彷徨いアリス