普通の人間はここまで危険をおかしたがらないし、霊力のある私ですらイヤだ。
でも、ここまで危険な目に合わせてでもとりたい弟子……。
心臓がドキッとはねる。好奇心から頬が緩みそうになるのに気付いて慌てて直した。
ここまでして弟子をとりたい理由が気になる。――もしかして本当に死期が近い?
眉をひそめて、唇に手をあてて考えるも視線の先の幻海は
私が5才頃にみた姿とそんなに変わらないほど元気に見える。

継承者の手伝いをする中で理由を聞いたら教えてくれないかなと思うも
あの玄海が簡単に教えてくれないだろうなと思い直して小さく肩を落とした。
それなら自分で探らないと……。幻海が継承者を選ぶなら
私は幻海がなぜ継承者を選ぶのかを探るのを今回の目的とするぞと密かに心にかかげた。

そうこうしているうちに審査が始まり、みんなが一斉に森に走っていく。
こんな危険な森にダッシュで乗り込むの危険じゃないかと思ったが
すぐにそういえば時間制限があったと思い出して、ご愁傷様という気分になる。

「アタシはあの木で参加者をまっておかないとならん。
――アンタの手伝いはここまでじゃ。今日は屋敷に戻りな」

通り過ぎざまに言われたのでえぇっと驚くも、一緒に森にこいと言われないだけマシかと思うことにして
トボトボと屋敷へ道を引き返すことにした。
家族には友達の家に泊まるとウソをついているも、実際は幻海の屋敷に今日から泊まることになっている。
部屋にも案内され、荷物も運びおえているし……帰っても何をやろうかとぼんやりしていたが
そういえば日本にきてアーケードのゲームはしたことないなと思い
屋敷にもどって財布とスマホだけもって近くのゲームセンターに向かうことにした。

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彷徨いアリス