確実にさっきのゲームが後をひいている。
ゲームセンターにつくと明るさと綺麗さにただ圧倒された。
アメリカにいた時に近くにあったゲームセンターは全体的に暗かったうえに
不良のたまり場と言われて、あんまり衛生的とも言えなかったし
たいてい何かしら壊れているのか壊されたのか分からない機体があった。
しかし、日本はどれも新品のようにキラキラ輝いている。

「ワァ!!ゲームの天国だ」

「そうかな?」

思わずもれた感嘆と返事をした声にえっと振り返ると
よっと手をあげた学校帰りの蔵馬が立っていた。

「くらっ……秀一くん!!」
危ない、人間での名前はこっちだった。
蔵馬もよく出来ましたといわんばかりに優しく微笑んで小さくうなずく。
それに照れながらも唇をグッと結んで頭を縦にふる私に
おかしそうに瞳を細めて、少年は笑みをこぼした。

「まぁ、今は俺たちに注目するやつもいないし
そこまで気を遣わなくてもいいさ」

「そっ…そっか」
気まずい。相手が超絶美少年ということもあるが
あの病院での突然のハグ事件を思い出して顔に熱が集まる。
あれ以来、彼とは一言二言スマホでやりとりしただけで
こうして会うのは飛影との一件以来だった。

そんな私の気まずさを察してか、蔵馬から先に口を開いた。
「紅葉はゲーセンに来るのは初めて?」


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彷徨いアリス