「どこいきやがった!!」
ああ、位置を教えてあげたい〜。
幻海をチラッと見たが、教えようとした瞬間殺しそうな目をしていたので
すっと口をとじたのは言うまでも無い。
このおばあちゃんはいつになっても怖い。
やった!!かすかな音をたよりに牙野の位置に幽助が気付いた!!
すかさず攻撃の連打が牙野を遅う。
しかし、どうしてだろう…こんなにモヤモヤするのは。
次の瞬間、牙野の強烈な蹴りが幽助の腹に直撃し
少年は柱のほうまで弾き飛ばされた。
「幽助!!」
慌てて駆け寄ろうとしたが幻海にとめられた。
「でも」
「まだ試合は終わってない」
ぎゅっと胸の前で拳を祈るように握りしめた。
「紅葉ちゃん。あいつはああ見えてタフなやつだ。
心配いらねぇよ」
肩に置かれた桑原の大きな手に安心する。
見上げるとニカッと笑みを浮かべたので私もつられて力なく笑った。
でも幽助が牙野の位置を特定できないとこの試合……勝ち目はない。
それは恐らくこの場に居る誰もが気付いていることだった。
だからぼたんねーねも桑原さんも真剣な顔つきだ。
69(189)
→|
back
彷徨いアリス