「アレは絶対師事を受けたようには見えないよ」
私の感だが、アレは習ったものという感じが薄い。
所々荒削りな部分、型や動きの乱れが見えるからだ。
もし習った術であればもっと完成度が高いはずに違いない。
「あやつが呪詛師や武闘家の弟子の可能性は低いじゃろう。
なぜならその2人はとっくに妖怪に殺された挙げ句、秘技である奥義の体得書を奪われておる」
違和感には十分すぎる決定打だった。
他の2人もハッと顔を見合わせた。アレは……。
「少林じゃない」
噛みしめた奥歯がギリッと音を立てた。
いつのまにか抑えていた霊気が殺気と漏れていたのか
幻海に気をつけろと釘をさされた。
しかし、このまま食い下がるわけにはいかない。
いつもはヘタレでもいいけどさ……今回は桑原さんが……!?
いっ、いない!?
さっきまであそこに……まさかこの数秒でやられて……。
いや、違う!!少林が手にもっているの……アレは!!
「桑原さん!!」
まるで小枝を折るように、カンタンに手の平サイズになった桑原の腕を少林が潰した。
ヒッと息をのむぼたんと私。幽助が試合を中止するように幻海に促す。
幻海はすぐに試合の勝者をつげ、終了させた。
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彷徨いアリス