地面に突き立てた拳はすさまじい音を立てて地面をえぐっていく。
一直線に伸びた地割れが乱童に向かって走り出した。
これには流石の乱童も面食らったが、すぐにつかんでいた幽助を
縛った状態で木の上につるすように投げつける。
そして自身は素早く真横に飛ぶことで地割れを回避した。
「チィッ…拳を突き立てただけでこの破壊力!?」
憎々しそうにつぶやく乱童。彼が攻撃をよけることも想定内。
これはあくまでも幽助と引き離すため、そして彼に威嚇することが目的だった。
この力を何度も使えばこの土地が穴だらけになるし、生態系にもあまりよくない。
しかし幽助を手から離せば……こちらの方が霊力を借りてとは言え
スピードとパワーはうえだ!!パワーに圧倒され私と距離をとろうとする乱童。
彼が一瞬ひるんだすきをついて、私はかけだした。
音をほとんどたてず、滑るように風を切り乱童に向かっていく。
幻海が後ろでわめいていたが、関係ない。
このままだと幽助が死ぬ!!――ならもうこんな勝負私には関係ない。
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彷徨いアリス