乱童に一発くらわせようとしたその時、乱童が放った霊丸のような攻撃で
木の上で宙づりにされていた幽助が縛られたまま沼に落ちた。

私が呆気にとられて、沼のほうに意識をむけた時
乱童はぶつぶつ唱えてはじめる。低く、何語かは分からないが寒気がする言葉を。

「幽助!!」

縛られたまま、頭から落ちた幽助に慌てて池に近づこうとすると
何かが私の前を舞った。

ガチッと歯と歯を嚙み合わすような音が響いた直後、沼にざぶんと飛びこんだ。

一瞬見えた鋭い歯、生臭い臭い……ぬめっとしたウロコに面食らう。

「魚…⁉」

「ハハッ!!危なかったぜ‼俺のペットを魔界から召喚させてもらった!!」

「なっ!?」

魔界のペット!?しかもこいつ一匹だけじゃない。
沼をのぞけば、怪しく回遊する黒い大きな影がいくつも見える。
ヒッと息を飲んで、すぐに泳げないけど飛び込もうか迷った。
でも、飛び込んだところで濁った沼から幽助を抱えて
こいつらに食べられないように浮上できるかも疑問だ。

91(189)
back
彷徨いアリス