指先をあわせ、乱童がブツブツと不気味に呪文を唱えだす。
「またあの呪文を唱える気だよ!!」
「おっおばあちゃん…もうやめさせて!!」
ぼたんと私の叫びも届いているはずなのに、幻海は相変わらず無言を貫いている。
年寄り独特の落ちくぼんだ瞼、その下のするどい眼光は何を考えているのだろう。
そこまでして、後継者を決めたいのか……それとも何かしらの意味があるのか。
理由があろうとなかろうと、私からすればここまでしていいとは思えない。
身をよじって、何とか少しでも近づこうともがくが届かない。
もうダメだ……と半ば諦めかけたその瞬間、変化はあらわれた。
なんと、術をかけた側である乱童の身体が縮んでいくのだ。
「え…なんで?」
幽助は等身大のままで、ボロボロなのをのぞけば何も変わっていない。
当の本人も私以上に動揺し、悲鳴に近い叫びをあげていた。
「まさか…縮んだのはオレだというのか!?」
乱童に近づくぼたんと幻海。ミニチュアサイズとなった乱童を見下ろし冷たく吐き捨てた。
「技に溺れたな」
「これはいったい?」
「呪文の術は失敗すると己のみに帰ってくる危険なもの。
――不用意に何度も使うべきではなかったな!!」
術を返した……!?――でも幽助にそんな高度な技はムリだ。
そうなると単純に幻海の言うように失敗したのだろう。
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彷徨いアリス