目が覚めるとキレイな顔がドアップだったので死ぬほどビビった。
思いっきり殴ろうと思ったが、体に力が入らない。

仕方がないのでにらみつけるが、神田にしては珍しく気まずそうに
そして少しだけホッとしたように息をはいて、謝罪の言葉を口にした。

目をパチクリさせて、彼の行動をうかがう。

「お前に言うのを忘れていたが、イノセンスは使うたびに
使用者に精神的かつ肉体的にも負担を与える」

それからつらつらと低い声で謝罪なのか言い訳なのか
はたまた遠まわしにディスってんのか分からない言葉を要約すれば
自分と同じ感覚でバカスカ使用しました、まさか倒れるとはって話だった。

「お前のせいかよ」

ギリッと奥歯をかみながら目つきを鋭くすれば
大人しくしていた青年も癪に障ったのか
生意気そうに口の端をあげ、ベッドに横たわる少女を見下ろした。
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彷徨いアリス