涙目で黒髪美人を見上げるとその人は目を見張ってまるで信じられないというように私を見る。
その目にはどこかありえないと
嘲笑の色が強く出ていた。
「お前……
AKUMAに襲われてたんだぞ?」
「あっ…
悪魔って……一応あいつは化け物みたいなグロテスクなルックスをしてるけど…たぶんワンちゃんだって!!」
そうだよね。何かの突然
変異だよ…きっと!!
あ、でもたまに芸能人でも親はルックス良くても掛け合わせるとブサくなる例もあるから……それの可能性も………。
「いや…どう見ても犬じゃねぇーだろ。今時、ゴールデン何とかでもあんなでかくないぞ!!」
「ゴールデンレトリーバーだろ。ちゃんと言えろよ。
つか…私も確かにあのときはどうにかしてって
頼んだけど……何も殺す事はなかったと思う!!」
黒髪美人は早口でまくし立てる私にため息をつくと、説明してくれた
あいつはAKUMAで、人の皮を被っている殺人兵器だと言うことを。
AKUMAは人の悲しみを原動力に製造される。千年伯爵というこの世界の
終焉を望む者の手によって。
説明を聞き終わる前に涙はとうに乾いてしまった。
説明を一通り終えると、私にそれでもAKUMAを殺す事が悪いと思うか?と聞いてきたから
私も何だかムキになって答える。
「分かった。あいつが悪魔(AKUMA)っていうのは分かったけど…
それでも、殺すまではしなくてもどこかで監禁するとか、精神安定プログラムを習わして
ついあいつ殺してぇーな的な思考をこう…元の人間に戻してあげるとかさ」
神田と名乗った男は
呆れたようにため息をついた。それにムッとし、また続ける。
「はたまた、ポケ○ンみたいに使い魔?的な感じで従えて
攻撃させるとかいろいろあんじゃん!!!!」
呆れたように
沈黙を
貫きこちらを見下ろしていた彼も、相手にするのが疲れたように黒髪をなびかせ私に背を向けて歩き出す。
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彷徨いアリス