この女たちのリアクションを見るに、すでに意識がないと思われているようだ。
眠り薬か何かを盛られたんだろうが、麻酔が効きづらい体質で良かったと初めて感謝する。
と、同時にこんな危険なところに連れてきた神田に後でキックしようと誓った。
女達にズルズル引きずられながら、引き離された神田も
もしかしてやばいんじゃないのかと焦る。
いや、神田は茶を出されても平気で断れるタイプだよなと1人で脳内でガヤガヤしてると
すぐに別室に連れていかれた。
バレないように目だけ動かせば、そこは埃ぽい小さな部屋だった。
ただ怪しい本や置物がズラッと四方を囲み、よく見ると床には魔方陣のような模様も彫ってある。
本格的にやべっぞと内心怯えていれば、腕を掴んで引きずっていた女の声で我に返る。
「教祖様、女の方をお連れしました」
教祖の目の前まで引きずられて、やばいと慌てて目を閉じて気絶したふりをする。
太った指で顎を持ち上げられるとフゥフゥ息遣いが聞こえた。
近い、近い、近いと気持ち悪さ半分とバレないようにと願う気持ち半分で
しばらくジッとしていると教祖の男が手を離す。
「少し幼いが、この子は美しい。信者にしてあと数年待つのもよいが
すでに信者の数は多いからな………残念だがこの子は別に回そう」
え、別に回す?と疑問に思っていればまた女たちに引きずられて
部屋の真ん中にあった円のところまで連れていかれる。
「我らが主も、珍しい東洋から来た……この美しい生贄に喜ばれることだろう」
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彷徨いアリス