「トマさん!!私のことは有難いんだけどさ
神田も一緒に潜入したはずなんだよね」

「はい。存じております。――神田殿はすでに
脱出されたとゴーレムを介して連絡が入りました」

何、あいつ勝手に脱出してんの?

「え、待って待って。
あいつチラッとでも私のことさ気にかけてた?」

鬼気迫る少女にやや気おくれしつつ男はか細い声でいや、一言もとだけ呟くと
憐れむような、けれど自分にはどうしようも出来ないだろみたいな目で見つめてくるので
ガッデムと少女は頭を抱えてしゃがみこんだ。

「顔だけで世の中を渡ってきた男ってのはどうしてこうも
気が利かないというか、女心が分からないというか」

「ま、まぁでもそれだけ信頼されているというような…」

脱出したら神田を殺すという殺気が漏れていたのかトマが慌てて庇えば
さらに腹が立ってくる。

「ぜったいに脱出する」
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彷徨いアリス