ローブを羽織っても鼻息の荒さが聞こえてくるような
乱暴な動きでズカズカと出口を探し出す少女に男が小声で警告する。
「あっあまり目立たないように!!」
黒いローブの裾を翻しながら、一歩ずつ歩みを進めていけば
不意に一つの扉の向こうから司祭の声が聞こえてきた。
断片的だが、ノアやアクマだの言っているのが聞こえてくる。
隣のトマの顔からどんどん血の気が引いていくのを見る限り
これ黒の教団絡みの話じゃねと勘ぐり、ゆっくりドアから離れようと動いたタイミングで
足がもつれて、盛大な音を立てて倒れこんだ。
「っ誰か居るのか!!」
司祭の声が部屋から響いてくる。
やべっぞと思った瞬間、ドラマチックにバンとけたたましく扉が開かれ
モロに顔を見られてしまった。
「おっおまえわぁ〜」
呼吸ぉ、とめてっ一秒〜、あなた真剣な目をしたからぁ〜♪
毒芽が生えてきそうなきったねぇジャガイモ顔の脂ぎった中年男が
禿げ上がった頭まで怒りで真っ赤にしながら、こちらに指をさして喚きだす。
「にっ…贄が逃げ出したぞぉ!!」
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彷徨いアリス