「とっ、とりあえず逃げようトマ!!」

後から振り返ればなんであんなに力が出たのか不思議なほど
普段よりも数倍早い回転で足が動いていく。

トマも普段から鍛えているのか、すぐに着いてきた。

「そっそうだ!!トマあれ持ってる!?」

ほら、翼が生えた黒いやつと走りながら片手のジェスチャーで伝えれば
ああと数秒間をおいて理解した男がすぐにローブの中から黒い塊を取り出し宙に投げた。

すぐに黒い物体が身をひるがえすように、空中で一回転し
短い翼を目いっぱい広げて並走するように羽ばたきだした。

「それ!!こいつでピーマッじゃなかった!!神田呼んで神田!!」

「かっかしこまりました!!」

ピーマンと言いかけた私に一瞬何だこいつという目をされたが
すぐに切り替えて対応してくる当たりやはり出来る男だ。

『トマか?』

「トマかじゃねぇーわボケェ!!――こちとらデブ教祖と
逃走中の真っ最中だわ!!」
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彷徨いアリス