「いやぁ、聞き込みはしているんですが……あそこには近づくなの一点張りでして……」

何でもここの地方では"レディ・グリーンスリーブス"と呼ばれる緑色の袖の服をきた女性が湖に男性を引きずり込む事件が多発しているらしい。今月に入って既に5人犠牲者が出ている。

あくまでも都市伝説として、この地では昔から口頭伝承で受け継がれていたものの、先月までは誰も信じていなかった。
その反動か、村人の誰もが噂を必要以上に恐れ、日が暮れる前には用事などを済ませ、立てこもっている有様だ。

普段はファインダーという調査隊?を先に現地に派遣し、確固たる確信を得てからエクソシスト(本職者)があたるらしいのだが……。

「君たち、今いる場所から近いんだから……見て来てー……って、コムイさんは人使いが荒いです」

「ふーん。――まぁ、よそ者が野次馬根性で見に行って何かあっても、村人は責任とれないしねぇ……でも、情報が分からない時に被害者が出ていたのは分かるんだけど
今は村人だーれも近づいてないんでしょう?――なぜ、今月5人も被害でてんの?」

レディ・グリーンスリーブスの話を詳しく知らずに尋ねると、神田が仏頂面で補足した。

「この地方では、緑の服は人ならざるものや死者の衣だと言われている。当然、そのグリーンスリーブスの女も二百年も昔に死んでいる」

「やっぱりレディって言うからには女ですよね、はい……続けてSAY!!」

「チッ……。――最初に死んだのはここの近くの湖でよく釣りに行く男だ。しかも底に穴の開いた小舟が発見された事から事故死と片づけられていたらしい。
二人目は湖で泳いでいた男、これも事故死と片づけられた。……三人目は湖周辺でスケッチをしていた老夫婦の男の方が犠牲になったが、女の方は傷つきながらも奇跡的に生きていたらしい。
その女の目撃談から「レディ・グリーンスリーブスキター!?みたいな……?」……チッ」

重い会話だと、ついついぶった切りたくない?(しかも、悪気はない)

神田のイラついた舌打ちと視線、アレンの困ったような笑み、それらに囲まれて真面目な顔を作る私。

「神田……早く、進めて」

「てめぇが話ぶった切ったんだろうが!!」

とうとう沸点の低いピーマンがブチ切れた。佐村河○の物まねでえ?え?聞こえない〜を繰り返していると魔王に頭をどつかれた。

「神田、バカに構ってる暇はありませんから続けて下さい」

爽やかな笑顔と真っ白の真雪のような髪に似合わず、どす黒いオーラを出すアレンに流石の神田も狼狽えつつ、咳払いをして続けた。

「しかし、伝説ではその女を見て生きて帰れた奴は何でも望みが叶うらしい」

なるほど、それで凄く腑に落ちた。通りで今月被害者こんな出るわけだわ。
つまり4人目以降含め今月5人は怖さ半面、自分の欲に負けたってわけね。
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彷徨いアリス