夜風にあたりながら静まった町中をぶらぶらと歩いていると、ふとあの都市伝説を思い出してしまう。
「何でも願い事が叶う……ね」
いつの間にか口角があがってニヤついていた事にハッと気づき表情を固める。
ああ、ダメだ私。昔からやってはいけないとか、入ってはいけない場所と聞くと
ついつい好奇心が膨れ上がって、行きたくなってしまう。
それに、心のどこかでそれだけじゃない願望も顔をのぞかせて、どんどん大きくなっていくのが分かった。
「ちょっとだけなら……ちょっとだけならいいよね?」
誰も見ていないというのに、何かやましい事があるからかゆっくりと忍び足で近づく。
遠目から湖を眺めるくらいなら……、次第に口角があがって息が弾んで、だんだんと足早になってくる少女。
少女はそれに気づかずに、どんどん湖に近づいていく。
その横顔はまるで恋人と逢引きするために期待に胸を躍らせて夜道をかけているように
頬を蒸気させて、瞳は楽しそうに細まり輝いていた。
「帰れるかも知れない!!」
だんだん気分が高揚としてくる。好奇心と期待からくるアドレナリンのせいだろうか。
森の小道を進んで、話で聞いていた通りの道なら……後もう少しで開けた場所と小さな湖が出てくるはず
という所で、私は思いっきり小石につまづいてしまった。
「いっだぁ!?」
顔から地面にダイブして、思いっきり顔をすりむいた。――くそ痛い。
しかし、そこでハッと我に返らされる。
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彷徨いアリス