脳内でまたもや失礼なことを考えつつも
確かによく人が二人も事故死とは言え死んだようなところでスケッチできるなと
少しだけ違和感と、ある意味恐怖を覚える。

「それで湖のほうには行ったりした?」

「あっ、はい!一応念のために遠くから眺めただけですが……特に何もない綺麗な場所でしたよ」

「うーん。なら手詰まりなのかな?」

そう呟いた私にアレンは少し困ったような笑みを浮かべてあまり関わるべきじゃないと諭した。

「こういうのは僕らのお仕事なので、梓さんはあまり関わらない方が安全です。
もし本当にイノセンス絡みの奇怪現象が起きているとしたら、AKUMAも関係していることも多いので
一般人である梓さんは危ないです……」

ここまで巻き込みながらすみませんと律儀に頭を下げるアレンに慌てて首をふる。

「た、確かに……か弱い乙女はなんも出来ないし外から見守るだけなのも仕方ないって!!
――それにもうあんなグロイの見るの嫌だわ」

自分でか弱い乙女と言うかというような呆れた表情を浮かべるもすぐにアレンは
ハッと弾かれるように戻ってきた神田のただならぬ雰囲気を感じて振り返った。

「外が騒がしい――どうやらまた犠牲者が出たらしい」

ドアにもたれかかった神田の言葉に二人は静かに息をのんだ。
30(118)
back


彷徨いアリス