二人はどうやら恋人のようだ。
しかも甘ったるいリア充ムードをただよわせやがって、胸焼けがしそう。
こちとら恋人居ない歴=年齢なんだぞ。もうHP残りわずかだ。
こんな空気が続いたら、やがて考えるのを辞めそうだと某アニメの言葉を思い出しながら
パチッと瞬きをした瞬間に、甘い空気が変わった。

冷たい雪がふる中、人の列が森の奥へと消えていく。
どうやら寒くなりそうだとアンナという女性(私ではない)が言っていたとおり
寒い季節が訪れたらしい。――そこまで一瞬の瞬きで飛んだことにビックリだが
もっとビックリしたのは、頬を伝う涙の温かさと喉の奥から漏らした言葉だった。

「行かないで…アルマン、お願い」

周りの女性や子供達もよく見ると男性の列を見送りながら涙している。
これは、徴兵でもされたのだろうか?

私の質問に答えるかのように、いいタイミングで老婆がアンナを励ましてきた。

「大丈夫。城の警備は2ヶ月もすれば帰ってこれるからね」

これは私達の村の男の勤めだとか、なんでも城で男性を中心とした流行病により警備兵が次々と倒れているらしいことを語った。
アンナ……いや、感覚は私だからなんがか妙なんだけど、分かってますと涙をこらえようと必死に瞼をこすっている。
46(118)
back


彷徨いアリス