村の男たちも半分以上がその病によって亡くなって死体となって帰ってきたとのこと。
帰ってきた男達にアルマンはどうしたかと聞くと、男達は口々に口をつぐみ、妙な目配せをした。
そして一様にアルマンのことは忘れた方がいいと同情のまなざしを向けてきた。
そっか、やっぱり死んじゃったのかと確信する私とは裏腹に……私に伝わってくる彼女の思いは違った。
きっと彼は生きているという願いにも似た思い。頬を滑り落ちた雫がアンナの指先に煌めく何かに反射した。
それはまるで彼女の髪のように燃える石がはめこまれたリング。
薬指で輝くそれは、私に何か訴えかけるような美しさを秘めていた。
彼から贈られたものなのだろうか。冷たい石に柔らかなキスを落とし、彼女はなんと城に向かうことを決意しだした。
………
……
次の瞬きから目を開けると、女の罵声と男のあざけりが飛び込んできた。
ふらつき、涙でぼやけた視界。倒れ込みそうな脱力感に追い打ちをかけるような罵声の数々。
「こんなところまで来やがって、面倒な女だ」
「アンタがアンナね!!――アルマンはもう私の夫なのよ今更出しゃばらないで!!」
サーッと血の気が引いていく。そんな私に対してアンナの心はその髪のように激しい炎のようだった。
「どうして?――私のことを愛していると言ったじゃない!!」
いつもどこか大人しそうな彼女とは違う。その剣幕に押されながらも、女の手前か男は格好をつけるように鼻で笑った。
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彷徨いアリス