くっそ、アルマン……クズ男だったのか!!こいつのドヤ顔が壮絶に腹立つ。
アンナ早くこいつを殴ったれと思うがアンナを渦巻く感情は私の怒りだけの激しさとは違う。
生きてて良かったという安心。そして強い不安。彼と仲睦まじく寄り添う美しいドレスをきた女性は誰?という疑問。
彼もそんな女性の派手な服とおそろいの今まで質素だったのがまるで人が変わってしまったかのように着飾っている。
「この指輪だって、アナタが代々家に伝わる結婚指輪だって……旅立つあの日にくれたでしょ?
生きて帰ってきたら、結婚しようと誓って……あっ!!」
「そっそんなことがあったかな?」
奪うようにリングを抜き取り、それを真横の女に付け替えた。
「お前のような化粧気のない田舎娘には似合わない。彼女が身につけてこそ先祖もきっと喜ぶ」
何こいつ決まったみたいな顔してんだ、SNSに晒すぞコラと内心ぶち切れるも
この言葉が決定打となったのかアンナはヨロヨロと倒れ込んだ。
アンナさん……可哀想。と思ったのもつかの間、今までのアンナの記憶がバーッと私になだれ込んでくる。
しかも一瞬一瞬の感情まで鮮明に流れ込んできて、乗り物酔いに似た気持ち悪さを覚えた。
ううっ、なんで死ぬ前に見る夢がこんな夢なんだ……くそ。
だんだんと耳鳴りとか激しい頭痛までしてきたので、また私は意識を手放した。
………
……
ゴボゴボ。冷たい水の感触が戻ってくる。
あ、まだ死んでなくて溺れてる最中だったんだとぼんやり思った。
水の中にいても、涙が溢れるのが分かる。くそっ、悔しい。帰りたかったなぁお家に。
『ごめんなさい』
え?光の中から柔らかく、そしてどこか悲しげな笑みを浮かべた美しい女性が出てきた。
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彷徨いアリス