そうか、それが悔しかったのね。
きらめきの強さがまるでその子が産まれたかったと叫んでいるようだった。

その後、産まれてきたかったと強く願う子供の魂が彼を憎む強い気持ちに引き寄せられ湖の底でじっと息を潜めてきた。
いつか彼に復讐してやるのだと。たとえ何年かかっても、もうアルマンが死んだ今でもその思いだけが残っていた。

そんな時、ここ最近城から盗みに入ったと思われる怪しげな男が
追っ手を振り切る際に身軽にしたかったのか湖にいくつかいらないと城の宝物庫にあった宝を投げた。

その中に、あの指輪があったのね。
流れてくる記憶の中で、アンナさんの髪のように燃える石が煌めいて湖に落ちるのが見えた。
それが湖に星を降らせたような状態を作っている。

そしてそれが産まれてくるはずだった子供と共鳴した。
まさか、アレがイノセンスとやらで赤ちゃんがその適合者だったっていうパターン?
アレン達の言葉を思い出しながら、なんつー確率だよと焦る。

『あの子は強い思いと結びついている。――あなたの帰りたい気持ちにも反応したみたい』

だから湖に引きずり込んだと?――なんという理不尽。
しかも欲深い男性を記憶の中で全員アルマンだと罵っていた。
思いだけしか残っていないので、正確な判断も出来ていないのだ。
このままだと私の後にアレン達も引きずり込まれかねないと慌てて亡霊を説得する。
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彷徨いアリス