アルマンは死んだの!!しかも安心してめちゃくちゃ悲惨な結末だったから!!

『アルマン……アルマン憎い!!』

おれの、おれの、俺の話をきけ〜。5分だけでもいい〜。
泣きたい梓ちゃん。しかしめげない。

あんたの憎い気持ちより、こっちの帰りたい気持ちの方が上じゃボケ〜!!

アンナを掴もうとして光の奥に手を伸ばす。何かが指に触れた。
それは指をするっとすり抜け、手の中に収まる。
その瞬間、アンナとは違った別のかなり幼い声がすぐ近くで聞こえてきた。

『かえれないの?――かわいそう』

もしかして、アンナさんの子供の声?
先ほどまでアルマンを憎いと罵っていた思いと別に、純粋無垢な魂の温かみを感じた。

『うまれてきたかったの。だからこれもってたよ。
でもね、あなたはおうちかえれないんでしょ?パパとママきっとしんぱいしてるね』

最初のアンナさんのような優しい声。

『ねぇ、これもらう?』

これ?――手の平に熱を感じた。
それはまるで帰りたいと願う私に共鳴しているかのようだった。
この湖の不思議な力を私にくれるというのだろうか?

何でも願い事が叶うのかと問えば、それは誰かが勝手に考えたことだと幼い声に笑われた。
恥ずかしくて、唸っているとアンナさんがその幼い声を包んではにかむ。
54(118)
back


彷徨いアリス