「いくら何でも女の子相手にキツいさぁ〜」
不意に訓練場の入り口から間延びした若い男の声が聞こえてきた。
私は聞いたことがない声だし、恐らく神田に話しかけたんだろう。
知り合いかと聞けば神田は思いっきり苦虫をかみ潰したような
なんとも言えない表情で男を睨んでいた。
あ、これは触れていけない関係だったかしらと考えてももう遅い。
男は人なつっこい笑みを浮かべながらこちらに近づいてきた。
さらに神田の綺麗な顔が不愉快だと言わんばかりに歪んでいく。
「こんな可愛い子が入ったんならコムイも教えてくれればいいのに〜。
あっ、俺はラビさぁ!!――はじめまして♪」
赤毛をバンダナでとめ、片目には黒い眼帯をつけた青年が
綺麗な白い歯を見せ、ニコリと人の良さそうな笑みで微笑んだ。
「あっ…どうも。――梓 仲本です」
フルネームを言いおわるや否や目の前のラビがおおっと叫ぶ。
「ワオ!!
大和撫子!!!!」
ストライークと目にハートを浮かべながら詰め寄ってくるラビを
神田が訓練中なんだよと足で蹴り飛ばした。
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彷徨いアリス