「黒の教団じたいは、多国籍の組織です。
エクソシスト様だけでなく、私の友人にも東洋のご出身の方はいます。
ただ、よほどのことがない限りはこの土地で一生を終える者が多い中
やはり自分と違う人種に出会うというのは、多くの方にとっては
とても不思議な体験でしょう」

そうだよね。まぁ……なんとなくわかってた事実だ。
けれど人からハッキリ言われるとやっぱりズーンとくるものがあるなと
二人に気づかれないように少しだけ自嘲気味な笑みを浮かべた。

私が生きていた時代にも、その土地で生まれて死んでいく人々は
少なからず存在はしていたけれど。

この世界では、それが多くの当たり前なんだろう。

きっとそれは、現代日本で生きていた私がすっかり忘れていた過去の世界史。

昔の人々は、多くがよほど理由がない限りは、生まれた土地を離れる機会や手段も
金銭的な余裕だってなかっただろうし、きっとそれで事足りていたはず。

そして外を知らず……満足な教育すら受けられなかった時代。
鳥籠から出たことがない鳥は、その不自由さにきっと気づかない。
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彷徨いアリス