私は現代に生きてきた。
メディア、教育を通して鳥籠の外を知っている。

多くの人々が楽に国を行き来できる自由や
どんどん海外から入ってくる嗜好品や流行。

肌、目や髪の色が異なる人々の存在を知っている。

外国からきた人々は珍しさはあれど
それだけで異質だと感じたり、排除すべきとも思わない。

少なくとも2000年代以降の日本で過ごしてきた私は思う。
けれど、ここの人々は……もっと昔の外国やそれこそ日本だって……。

教育の知識として学んだ……人類の迫害の歴史を思い出して小さく震えた。

「ここまで来て、何の収穫もなしに帰れねぇぞ。覚悟しておけ。
俺とお前は同じ東洋人だ。――そのせいで場所によって
差別や偏見がないと言えば嘘になる」

街に入る前にナーバスになってた私を励ますかと思いきや
相変わらずの塩対応にわかってるよとぶっきらぼうに返す。
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彷徨いアリス