少年は倒れていたツナに気づき、何か鬼気迫(ききせま)る表情でツナのことを知っているかのような口ぶりで慌てていた。

「あっあの、大丈夫?」

とりあえず怪我をしていないか尋(たず)ねるために近づくと少年が丁寧に礼を述べた。

「あっ、はい。拙者(せっしゃ)は…っておっおぬしもまさか…美緒殿(どの)では!?」

え……な、なんで私の名前を?と口に出そうとした瞬間、ビルの上から
もの凄い声量の怒号が飛んできたので声にならない悲鳴をあげて飛び退く。

「う゛お゛ぉ゛おいっっ!」

視線をビルに戻すと、鈍色(にびいろ)に輝く刃物のようなものを振り回す長髪の男性。
なっなんなんだこの人達!?目の前の少年といい、あの人と言い…頭おかしいって!?

「なんだぁ!?外野(がいや)がゾロゾロと…邪魔(じゃま)するカスはたたっ切るぞぉ!」

しかもめちゃくちゃ理不尽(りふじん)じゃん!?――ツナや女の子達と幼児は慌てているものの
獄寺と山本は何事かと瞬時に身構えた。



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彷徨いアリス