………
……
「ホントに……
断って良かったのかな………」
教室の
鍵を閉めたり、雲雀さんの
容赦ないパシリなども乗り越えた私は
すっかり冷え込んだ寒空の中、スマホのライトで道を照らしつつ帰宅中だった。
遠くで犬の遠吠えが聞こえる。それに一瞬びっくりさせんなよ、と
安定のびびりを見せつつも、強がって
悪態をついてみた。
はぁー、と吐くため息が口元で白く霧状になって消える。
それにつられるように見上げた夜空は、やけに星が綺麗だった。
ここに来るずっと前の、幼少の頃過ごしていた場所ではよく見上げていた気がする。
あの時からきっと変わらずに毎夜、そこにあるはずの
星屑たち。
久々に見つめたせいか、久しぶりだねと
懐かしく光っている気がして、思わず目を細めた。
確か……星は田舎のような
街灯もないような所でこそ綺麗に見えると聞いた事がある。
皮肉だが、今の状況もかなり暗い夜道だ。来た道を振り返れば、ぽっかりと空いた穴のように暗く
前方を見ても、スマホのライトで照らす光は心もとなくちらつくばかり。
動くたびに、その小さな光が一生懸命揺れる。
ひゅるり、と肌を刺すような冷たい冬風が私を置き去りに通り過ぎる。
それに弾かれるように小さく身震いし、スマホのバッテリーを気にしつつ、歩くスピードを少し早めた。
「はぁ………。雲雀さんが一応、危ないから送っていくって言ってくれたの……
アレ、素直に受け取れば良かったかな………?」
一人ポツリと
呟いた言葉は、周りの
静寂にむなしく吸い込まれる。
まるで暗闇の中で、スマホのライトに照らされながら一人
芝居をしているように
滑稽だ。
咳をしても一人、という言葉を思い起こされる。何かアクションを起こすと
余計に一人ぼっちを実感させられるものだと改めて感じた。
ぼっちに慣れてる私でも、一応女の子だし……時々、暗黒の王とか
馬鹿な事言ってるけど
底なしの暗闇も一人だけの世界だって恐怖でしかない。
特に普段は明るいうちにすぐ家に帰る体質なので、余計にこんなに
暗い静寂につつまれるほど
遅くなってしまって後悔していた。
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彷徨いアリス