「その方に手をあげてみろ、タダじゃおかねぇぞ」
爆発の向こうではすでに
臨戦態勢と言わんばかりにダイナマイトを構える獄寺と日本刀を担ぐ山本の姿に
マフィアというのは本当だったの!?と少しホッとしたようなツナとは対象的に青くなる私。
助けて貰ったのは凄く嬉しいんだけど……私の周りってやばい奴らしかいなくない?
対人運が悪いのか、それとも本当に私はこういう危ない世界から逃げられない運命なのだろうか。
逃げるタイミングをうかがいつつも、少年二人が男に向かっていこうとするのを
先ほど吹き飛ばされた少年がかなう相手ではないと倒れながら必死に制止した声で
え、と思わず逃げようとした足を止めてしまった。どっどうしよう……二人が危ない!?
私もパニックになりながらも目の前の獄寺と山本を助けようとようやく思い出したように
そうだ、こういう時は
警察だ!とスマホを取り出そうとした時、男は獄寺と山本も
決して一般人の私からみれば弱くないはずなのにアッサリと倒してしまった。
「話にならねぇぞこいつらぁ!!――死んどけぇっ!!」
「やめてぇっ!!」
男が剣を振り上げたので思わず
瞼をぎゅっと閉じて頭を抱える。
しかし聞こえてきたのは、肉の切れるようなショッキングな音ではなく
金属同士がぶつかりあうような高い音だったので、ゆっくりとしゃがみこみながら目を開けた。
その先ではさきほどショーウィンドウに伏していた少年が武器を片手に男の刃を受け止めていた。
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彷徨いアリス