鞭がぶつかる寸前(すんぜん)に火薬が走り、爆発音とともに煙をあげた。
近くにいた私達にも熱風が飛んでくる。思わず目をつぶってどうにか頭をガードしながら耐(た)えていると
大丈夫かとディーノに声をかけられて、煙がはれたことに気づき、ようやく震える体で頷(うなず)いた。
少し遅れてやってきたのが申し訳ないのか、心配そうな顔で私の頭を撫(な)でる青年。

切なげな琥珀(こはく)色の瞳にぶつかる。その瞳にうつった私が泣きそうだったので
もう一度慌てて早口で大丈夫と呟いてうつむいた。心配させたくない気持ちと恥ずかしい気持ちで頬(ほお)が熱かった。
ディーノは何か考え込むように、あるいは探るかのようにも取れる心配げな表情で
少女をのぞいていたが、すぐに切り替えて近くにいた二人にも同様の質問をしていた。
ツナとバジルもディーノ同様に私を心配げに見つめていたが、ディーノから問いかけられると
間髪いれずに大丈夫と少し動揺しつつも頷いた。

内心、こんなボロボロなのに……どこが大丈夫なのか男子よとお節介ながら考えていると
上方から声量たっぷりの声が飛んできたので、思わず面食らって視線をあげた。

「今回は貴様(きさま)に免(めん)じてこいつらの命は預(あず)けといてやる!!」

一斉(いっせい)に見上げる先には男がリングが入ったボックスを見せつけるように立っていた。
しかも何とそれをあろうことか、もらっていくと宣言している。



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彷徨いアリス