どうやらボンゴレの10代目?のツナに渡す予定だったらしいが
そのツナ本人は
動揺してパニックになりながら、家に帰って補修の勉強がーとか
リングを受け取らない口実を無理矢理作って断固拒否の姿勢をとる。
渡し損ねた青年が困ったようにツナを呼んだが、当の本人は関わる気がないと
帰りの挨拶だけ早口に述べると
一目散に逃げていった。
「あいつ…自分の立場からまだ逃げられると思ってんのか?」
リボーンも呆れたような声を漏らした。そして小さく無理矢理でも渡すゾという呟きを
聞き逃さなかった私を一万回
殴りたい。――どうしてこういう事だけ聞こえちゃうの!?
この能力があれば歌詞がつかないアニメOPを変な空耳暗記じゃなくて
しっかり本家通りに覚えるほうに生かしてほしかったと後悔した。
取り残された私も、ツナの逃げっぷりに呆れつつ……でも自分も同じ立場ならそうするかもと
少し苦い気持ちになった。あ、でも私ならいつのまにか逃げるタイミングを失って
最終的に腸がねじれるくらいの苦しい問題に立ち向かわないといけなくなるはめになりそうだと
自分で妄想してコンマ数秒で苦しくなったので辞めた。
ツナが受け取らないとなると私に……と物を渡すゲームのように軽快な音楽と同時に
あの青年の思わず受け取りそうになるほどの爽やかな笑みで回ってこないかと不安になったが
そういうことでもないらしく、二人はベッドに横たわるバジルに向き直っていた。
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彷徨いアリス