モニター越しで私は時々であればマイクも使用可能とのことだった。
ツナのお父さんは最後まで見せたくなさそうにしていたが、私がプロレスなどは
時々見るので大丈夫ですと念をおせば、しぶしぶOKしてくれた。

FPSゲームだって好きだし、ホラーゲームも好きだから
多少のグロやビックリさせるものに対しての耐性はある方だと自負している。

それでも心はモヤモヤしていて……大きくて清潔なベッドをごろんと横になりながら目をとじた。

――複雑な気持ち。そりゃあ普通の女の子になら見せたくない気持ちもわかるけれど。
私はもうすぐマフィアにならなければならない。いつまでも血をさけてとおることは出来ないはずなのに。

ゆっくりと目をあけた。慣れない高級そうな家具を見渡してため息をつく。

ツナのお父さんからはなるべく危険なものから遠ざけていたいという優しさと
それが出来ない歯がゆさみたいな苦悩も見えて少しだけ切なくなった。
――今までの周りの奴らは問答無用で血みどろの戦場に引きずりだしてくタイプだったからね。

少し自嘲的な笑みももれるが、すぐに表情はもどった。
いつまでもヘラヘラできない。心では今でも叫んでる。
理不尽だって。きっとそれはどこまで墜ちてもそんな風にわめき続けるのかも知れない。

そう考えると恐ろしいし、つらいし……その声に耳をかたむけると
空しさがこみあげてくる。――私だけなぜこんなことになるのだろうと自問自答してしまう。
そんな声から意識をそらすように、枕に顔をうずめながら
泣きたいような、悲しいような気持ちで私は眠りについた。



133(431)
back

彷徨いアリス