「ディーノさん!!もうはじまってますよ」

会場につくとすでにバトルが行われようとしていたところだった。
まるでボクシングのリングそっくりだが、暗闇の運動場でそのリングだけが
ド派手にライトで照らされていて、異様な空気と緊張感をかもし出していた。

「な、なんで美緒がいるの!?」
ディーノにエスコートされた少女を見てツナが悲鳴をあげた。
少女も眉を下げて困ったようにはにかむ。

「危ないのは分かってたけど、でも私の運命だって決まる大事な戦い。
どうしても現場にきたかったの……」

ぎゅっと唇を噛みしめて、視線をそらすと
安心させるようにリングにむかっていた少年が声をあげた。

「心配するな!!俺は負けん!!」

まるで太陽のような眩しい笑顔を見せる少年に
私も少しつられて笑った。――なんだかすごく明るくてポジティブそうな人だ。
万年ネガティブな私とは正反対……。
陰キャの私が陽のパワーに押されて浄化されそうだ。
山本の円陣を組まないかという発言で皆で円陣を組んだ後
照れつつも見送った。肩を組んでみて分かったけど
細身のツナですら私より結構身長高いし、何よりガッシリしていてビックリ。

まぁ、私は体型が円形に近いから……かも。
このことは考えないようにしつつ、目の前のバトルに意識を向けた。



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彷徨いアリス