ファミリーを襲う逆境を自らの肉体で砕き、明るく照らす日輪……。

聞こえはとってもカッコイイけど、それって相当ハードだと思う。
だって何の武器にも頼らずに己の肉体のみで敵に向かい
さらに味方のムードメーカーでいないといけないなんて。

私みたいな卑屈ひくつでネガティブで自堕落な人間にはきっと無理だ。
でも彼はまさにその言葉を体現したかのように見える。
少年の面影を残しつつも鍛え上げられた肉体に、こんな時ですら底なしの明るさ。
円陣を組んだ時も私達の間で張り詰めていた空気が和らいだくらい暖かい人。

「でも…ボクシングとムエタイじゃ、ムエタイの方が強そう」

近くにいたリボーンがピクリと反応した。

「どうしてそう思うんだ?」

「私、格闘技とかはやったこともないし
たいした知識があるわけじゃないけど……。
まず、リーチの長さが怖い。――腕と脚なら脚の方が長いでしょ。
その分、相手に当てるためには少しの距離ですむ。
拳でお腹から顔まで打ちにいくには多少、踏み込まないといけないから。

あと、ムエタイは実は脚だけじゃなくて両肘もルールによってはアリと聞いたことがある。
万が一あの脚のリーチをかいくぐり、踏み込んで接近しても危険そう」

ツナや山本、獄寺も感心したように声を漏らした。

私見た目も、まぁ中身もひ弱だけど
格闘漫画とかは好きだったからそこら辺の女の子より無駄に知識はあるかも。



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彷徨いアリス