リングからは勝手に言わないでちょうだい〜とルッスーリアが文句を言っている。
どうしても了平をお持ち帰りしたいそうだ。
「了平さん!!棄権して下さい!!」
「あっ…コラッ暴れんなっ」
リングに近づこうと掴んでいる腕をはがそうともがくと
また強引に引き寄せられた。面倒なのか首ごとグッと腕にからめとられる。
そんな少女に仲間から心配の声があがるなか、リングの少年は強がって見せた。
「大丈夫だぞ!!――俺はまだ右拳が残っている!!」
了平さん。こんなボロボロなのに……どうして。
「んもぉおお!!それは見切ったって言ってるでしょお!?」
ルッスーリアが
地団駄を踏んで抗議している。
確かに私からしても了平さんの右拳がいくら強くても
あのルッスーリアに勝てるとは思えなかった。
コロネロがよく言ったぞと上空から檄を贈った。
それに弾かれるようにハッと仲間に視線を戻した。
仲間達はまだ心配げな表情だが、諦めていない。
なのに、私はすでに気持ちで負けてた。
ぎゅっと手を握る。スッと息を吸い込み
大きく
横隔膜を震わせた。
「了平さん!!がんばって!!」
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彷徨いアリス