はぁ……ほんと、我ながらなんて大胆になったんだろう。
もっと昔は慎重だったはずなのに。
そう、雲雀さんと会う前は……。

ってなんでこんな時に雲雀さんのことを思い出してんの!?
顔をぶんぶんふって意識を飛ばす。
雲雀さん……のことは忘れたつもりじゃなかったけど
今はあんまり考えたくなかった。
少ない間の居候生活とか……あの時の綺麗な顔がどアップで言われた

『君は……』

「自分が思ってるより悪くない……」

その時の言葉を次に会った時に否定したら咬み殺すって言われたから
口に出して肯定しようとしても、なんだかしっくりこなかった。

だって、こんなに状況を悪くしているのは
きっと意味が分からない景品という立ち位置にいて、対して役に立つか分からないのに
守って貰わなきゃいけなかったりする私だと思うから。
ぎゅっと唇を噛みしめる。

スクアーロはしばらく私がスッと離れたことに文句を言っていたが
仲間にどうせこっちが勝ってイヤでも手に入るとさとされ
アッサリと帰って行った。――ちょっとノンストップで失礼だな。

私のこと本当に物じゃなくて、人として心配してくれてるのは
ツナ達だけ……でもさっきスクアーロって人助けてくれたよね。
それは……私が景品だから……なのかな。心がズキッと痛んだ。
イヤなことをされても少しの優しさでコロッとだまされるのが私の悪い癖だな
あの人達は敵なんだ。そう言い聞かせるようにして保護してくれていた
ホテルに戻ることにした。――明日はランボ君の試合だ。



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彷徨いアリス