その瞬間、ビリッとした空気があたりに散った。
それはまるで身体に電流をくらったかのような衝撃。
電気を流されたわけじゃないのに心臓がドクッと大きく跳ねる。

「あなた達にまた会えるとは……ん?」

視線があった。色っぽいエメラルドグリーンの瞳が一瞬見開かれると
すぐに先ほどのように大股でズカズカこちらに近づいてきた。

「なっなに…えっとランボ君…!?」
ビックリして硬直こうちょくしていると、スッとそれはもう自然に
私のすぐ真横にかがんだかと思えば頬にキスされた。

かさついた男の唇。鼻孔びこうをくすぐる清涼感のある匂い。
男性用のコロンとこれは……男性ホルモン(テストステロン)ってやつ……?
かなりの色気に思わずクラッと意識が飛びそうになると、男はガッシリとした腕で支えた。
ツナ達も呆気にとられている。私も心臓がバクバクして何がおきたか分からない。

けれどクスッと大人の笑みで微笑むと頭を優しく撫でられて囁かれた。

「この時代のアナタは本当に愛らしい。――今のアナタならまだ誰の物でもないから
俺でも手が出せたかも知れないのになぁ」

「へっ」

チュッと投げキッスをしながら意味ありげな言葉を残すだけ残して
20年後ランボはそのまま会場に向かっていってしまった。
頬を紅くしたまま、キスされたほうの頬を押さえて
なんだったんだと私の心に青いイナズマを落とした彼を責めてやりたかった。



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彷徨いアリス