とりあえず、人身売買じんしんばいばいでも臓器売買ぞうきばいばいにしても……理由は知っておきたい。
って、考えて……改めて今後についての悪いイメージが浮かんできて青ざめて来た。
平静へいせいよそおうとしても、身体はカタカタと震えて止まらなくなる。

そんな私を困ったように見つめる少女と、ニヤリと愉快ゆかいそうに見つめる少年。

「骸様……」私を見かねたのか、懇願こんがんするように少女が呼びかけ
口のはしをあげて傍観ぼうかんしていた少年も、少女の言葉に弾かれ、ゆっくりとうなずいた。

「クローム。――そうですね、理由くらいは話した方がよさそうですね。望月 美緒さん」

「何で私の名前……?って私の名前を知ってるっていう事は……私だから誘拐したんですか?」

何それ、凄く笑えない冗談だ。私……そんな誘拐されるようなルックスも、才能も、価値もない女だぜ。
せいぜい役に立つと思うのは、極限状態で食料がなくなった状態かな……非常食として。

あ、これも考えるとむなしいわ……やめよう。

あの世界のレディーガガもボーンディスウェイ言ってたじゃん。(神様はアナタを完璧に作り出してくれたのよってね)
小さな身体で深く息をすい、一気に疑問と共に吐き出した。

「あのぉ……つかぬ事をお聞きしますが、私とあなた方って初対面しょたいめんですし
……私、何か誘拐されるような事をしましたっけ?」

困り果ててたずねる。2人の少女の視線が少年にそそがれるも、少年は頭を振った。

「いいえ……。僕が個人的な理由で誘拐させていただきました♪」



17(431)
back

彷徨いアリス