「笑ってる」

爆風がはれると、棒立ちのままで流血りゅうけつしながら笑うベルが画面にいた。
私達は、あまりのその異様さにただ圧倒される。
どうみても、この人正気じゃない。

自分の身体を傷つけられて笑っているなんて……。
よほどの戦闘狂かマゾヒズムの持ち主か。

しかもなぜか画面越しに目があった気がした私は
ヒッと息をのんで目の前が歪んだ。

一瞬クラッと立ちくらみのようなものに襲われたが
近くにいたシャマルに抱き留められて倒れずにすんだ。

青ざめながら小さく礼を言うとキザな笑みで二カッと歯を見せて笑うシャマル。

「大丈夫!?」

近くのツナに心配されながら、小さくうなずいて
ゆっくりとシャマルから身体を離した。
彼はもっとそばにいてもいいのにと愚痴ぐちっていたがムシする。

「なんだか急にゾクッとめまいが…」

「そりゃあそうだろうなぁ、あれだけ殺気がもれてりゃあお嬢ちゃんにはキツイだろう」

苦々しそうに画面の向こうに視線をやるシャマル。
確かに画面ごしの少年は不気味でぞっとする。どうやらあの姿で殺気までバンバン出してるらしい。
怖い。ホラー映画のサイコキラーのようだ。

まさに無邪気の狂気を感じる。小さな両手を合わせて祈った。
獄寺になにも起こりませんようにと。



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彷徨いアリス